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2015年5月12日 (火)

残す言葉

俳句仲間というのは言い方は少し変かも知れないが、縁もゆかりもない者同士なのに実に濃いお付合いをする。
月に何回となく会って、会場で4~5時間、俳句を詠んだり書いたり、鑑賞し合ったりする、その時間だけは閉ざされた部屋の独特の世界。

「街俳句会」の場合、句会への参加は30~40名ほどで、参加者の顔がお互いに見渡すことが出来る。この、ほど良い距離感と人数での句会というのが親近感が生れる所以なのかも知れない。

そして句会場では密なる仲間であっても、プライベートのことにはほとんどかかわらないし、知らない。そのあたりのバランスが俳句を続ける秘訣なのかもしれない。

三沼画龍さんもそんなお仲間の一人だった。

「街」十周年記念特集号(2006年)を何気なく捲った。


〈三沼画龍自選十句〉

  鉄溶かす花一ひらを乗せしまま

  手袋を脱いで言葉が生まれけり
 
自然な動作からたちまち生れる言葉。

  手袋を脱ぎながら句会場へ入るや否や思いは言葉となって迸る。
  或いは外出から部屋へ帰った途端の家族との会話。

  この日はどんな言葉がうまれたのでしょう。

  葱の花どこから歩幅変りしか

  クリオネの海から生まれ春星座

  箒星われも朧の地の過客

  むかし昔と始まる嘘の温くとしや

  致死量といふ咳けば散るほどを

  丸木位里作原爆図
  位里画く晩夏に凍るいのちの火

  青葉騒壱隠岐百島に月もあをく

  秋の蝶この色の崖いつか見し


 会場や懇親会での画龍さんの穏やかな人柄と
 笑顔を彷彿させる句群。
 この世に言葉を残すって素敵。

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コメント

けんこさん、こんばんは~
けんこさんの日々の暮しも俳句で時々拝見していつも羨んでいる私です。
昨日は一日、小物を縫ってミシンに熱中してました。
(マイブログ見ないまま)失礼しました。
こんなゆるゆるの私ですが今後共もよろしくお願いします。
そういえば、画龍さん、楽しくお酒を飲む方でしたね。ああ、懐かしい・・・。

投稿: hoko | 2015年5月16日 (土) 19時53分

「夜空へ」を読むと、いつもやさしい気持ちになれます。(ギスギスした毎日なもので)
本当にすてきな日常ですね。うらやましい。
画龍さん、私も大好きでした。句を読むとあの頃のことがよみがえってきます。

投稿: けんこ | 2015年5月14日 (木) 11時06分

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