« 2012年2月 | トップページ | 2012年4月 »

2012年3月

2012年3月20日 (火)

祖父の字

「hokoちゃ~ん、赤い塗りのお椀と黒い塗りのお椀が全然無いのだけれど、どうなったのかしら?全部で40客あったと思うけど・・・・」
Img_8417
この頃、突然こんな電話が掛かってくる。
むか~しむかしのことはよく覚えている姉だけれど、数年前の事とかついこの間のことは霧に隠れてしまうらしい。

赤いお椀は数年前から我家に来ている。姉の甲状腺の手術あと
私が持ち帰ったもの。
姉と荷造りをしながら
「お椀もいいけど、包んである和紙の筆文字が古めかしくていいね。」
「ほんと、ほんと、これ、お爺ちゃんの字よ。あなた大事にしてね」
なんてこと二人で話したっけ。


Img_8413Img_8415_2

お椀を包む筆文字は何のことだかさっぱり分らない。文(ふみ)や短歌ではない事だけは確か。昭和4年の小さいゴム印が押してある??
80年+X年の我家の歴史。


結局、黒塗りの椀は誰にあげたのか、何処かにしまい忘れたのか霧の中。お椀なんて誰の処にあってもいい。「物」はたまたま授かった人が大事に使い続ければいいのだ。
Img_8418

姉とのその夜の会話。
物は大事にしまっておかないで普段にどんどん使うべし・・・という結論に至った。

ということで、今夜はこのお椀で冷凍海老を使っての吸い物にしよう。菜の花の香りを入れて・・・・・。

| | トラックバック (0)

2012年3月14日 (水)

雲にしたがふ

 すみれ野に罪あるごとく来て二人       鈴木真砂女

東北大地震より一年と三日経った。
菫は何の督促をしなくてもちゃんと咲く。

あの夜、横浜の我家に電灯が点るまで何と心細かったことか。
たかが電灯位で。
Img_8406
大袈裟に言えばあの日以来何か人生観が変わった。
あとどれほど生きられるか分らないけれど、この先はもっとシンプルに生きたいと切に思ったことは確か。

身の回りの品を買い足すのはよそう。
大切なものだけを身辺に置いて愛しみ、
素朴な花を愛しみ、音楽を聴いて、
時々映画を見に行けたらいいな。
さしあたり「戦火の馬」なんて。

そうだ、津波の来ない静かな海も見たい。
鎌倉の仏像もいいな。出来ればもう一度奈良へ行きたい。

そして最後に俳句も作れたらいいかな。
何とささやかな「つぶやき」なんだろう。 とほほ・・・。

 啓蟄の雲にしたがふ一日かな       加藤楸邨

「啓蟄」の句をいくつか探してみたけれど、
今日の気分にぴったりの句は
掲句の「雲にしたがふ一日かな」であった。
なるようになる。素直に生きよう。

| | トラックバック (0)

2012年3月 1日 (木)

巡ってくる

「名残の雪」「忘れ雪」「雪の果て」
これらはこの冬最後の雪に感動した
情緒たっぷりの季語。

Img_1629_3
一夜明けて、降り積もった昨日の雪が消える速さは見事だった。
雪は暖かい3月の風に撫でられ
みるみるコンクリートの道に戻ってしまった。

まだ今後も雪が降る予感がする。
「名残の雪」はもっと先になるのかも知れない。

この写真は4年前の私の机の窓からの雪景色。
昨日も全く同じだった。
春が巡ってくるように雪景色も又巡ってくる。

| | トラックバック (0)

« 2012年2月 | トップページ | 2012年4月 »