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2012年2月

2012年2月25日 (土)

桜の声

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寒い寒いと言っている内にいつかは必ず桜の季節がやってくる。

人が老いてゆくように桜だって齢をとる。

天然記念物の名木のように大切にされている樹は樹木医の診断で病気の予防や樹の勢いの回復など、人と同じように大切にされ寿命も延び続ける。
 

そんな中、樹木医のお世話にならずとも元気で長いこと人を楽しませてくれる桜だってたくさんある。

50年近く毎年毎年見事な花を咲かせてくれた庭の巨木が
ある夜、「きゅ~ん」と悲しい声で鳴った。
それは闇の中からのこの世への別れの叫び。

翌朝庭に出ると、桜の大樹が真っ二つに折れて倒れていた。
という話を知人に聞いた。

今年はもう咲かない桜。
そういえば、桜の切り株はどうなったのだろう。
「桜・その後」を聞いていない。この話は去年の秋のことだった。

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2012年2月18日 (土)

ついでに

鶲来て母は毎日不在なり       竹下しづの女

手枕や蝶は毎日来てくれる      小林一茶


「ついでに」という言葉は何と便利な言葉だろう。

「ついでに伝えてね」  「ついでに洗濯してね」
「ついでに買い物してね」  「ついでに覗いてきてね」

ついでに・・・・ついでに・・・・「ついでに」を一生に何千回使うのか。
とは言うものの「ついでに」は、人に頼むときにだけ使うとも限らない。
私自身にだって結構使う。

先日、簡単な「ランチョンマット」を数枚縫ったけれども、
ついでに裏付きのものを勢いで縫ってしまった。

「ついでに」ってやる気を起こさせる言葉なんだ。

「毎日」というのは「ついでに」の永遠の続きなのかも知れない。
今日も明日もあさっても。

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2012年2月14日 (火)

ランチョンマット

犬が来て覗く厨の春の暮           山口誓子

山また山の裾の厨の若葉かな        高野ムツオ


一生を考えると女性にとって台所にいる時間はかなりのものである。
そして台所からテーブルへ運ぶ料理。
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そのテーブルと皿との狭間という微妙な位置にあるのがランチョンマット。

最近ランチョンマットを縫うのが楽しい。
沢山の端切があるのに以外とマットに出来そうなものが無いのは不思議。
薄い布はぺらぺらしてダメ。柄がしつこいのは料理が映えない。
裏付きにするとアイロンの時ちょっと手間。Img_8353_5


私みたいな直感力の無い者は
端切れを並べるだけでぐずぐずと日が経ってしまう。

でもたまには勇気を持ってジョキジョキ布を切り落とし一気に縫う。
簡単~。Img_8344

母の着物を解いて洗濯を済まして・・・渋いけれどこれはきっとお洒落なマットになりそう。

派手な裏を付けて高級感を出そうか。
ところで一体いつ出来上がるのだろう。
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2012年2月 7日 (火)

沢庵狂人

沢庵や家の掟の塩加減            高浜虚子

死にし骨は海に捨つべし沢庵噛む      金子兜太

「沢庵漬け」
伝統的な製法では、手で曲げられる程度に「大根」を数日間干して、
このしなびた大根を、容器を使用し米糠と塩で1~数ヶ月漬ける。
風味付けの昆布や唐辛子、柿の皮などを加えることもある。というのがwikipediaでの説明。

なあんだ簡単じゃ。・・・というのは未だ早い。
実は沢庵漬けに凝っている知人がいる。
4年ほど前から漬け始め毎年、今の季節になると、
丹精の「沢庵」が4~5本贈られてくる。

最初の年ははっきり言って不味かった。(ゴメンナサイ!)
二年目はまあまあ。去年からいくらか美味しくなった。
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そして今年、正直言って素晴らしい!だんだん複雑な味が出てきた。ほんの微かににんにくの匂いや麹の味もする。

もう十分過ぎるくらい絶品になったのだけれど
未だ未だ進化することだけは確か。
年に250本も漬けて配りまくるのだそうな。
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この「沢庵狂人」の知人としての末席だけは確保し続けたい。
 

世の中には色んな「ステキ人間」がいらっしゃるものだ。

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2012年2月 2日 (木)

ワイングラス

年に2回位しか会わないMさんと先月会った。
いつものように昼の食事をしてコーヒーを飲みながら、
彼女がふっと
「今年でもう10年になるのよ。亡くなって・・・」と言った。

一人息子のk君は私の次男と同い年。幼稚園の頃から知っている。
大学を卒業して社会人になり、結婚をして二人目の子供が
生まれたばかりの幸せの絶頂に亡くなった。

Mさんはご自分の心の整理に2~3年かかったと思われる。
いや、ほんとうの処は未だなのかも知れない。
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それにしても10年も経ったのだ。
k君の話題に及ぶと彼女も私も涙を隠すことが出来ない。だから涙が溢れる前に話題を変えてしまう。

「私たち10歳年を取ったのね。これからもずーっと若々しく生きていこうね。k君はずーっと若いままなのだから・・・」

「玄関から不意にkが帰ってくるような気がするの」
・・・と彼女は言った。

Mさんにイチゴとブルーベリーのジャムを頂いた。

今、k君の結婚記念のワイングラスの前に二つのジャムを飾っている。

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