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2011年9月10日 (土)

『浜北人』         池本光子句集

 神輿ひとつ濃尾平野にあらはれぬ         池本光子

「神輿」といえば夏。見渡す限り静かな濃尾平野の青田。
青田の隅に突如白い集団が現れた。集団は揺れながら
少しづつ近づいてくる。
「おお、神輿だ!」神輿の担ぎ手の白装束も掛け声も
だんだん大きくなって来る。
「静」から「動」へと移りゆく色彩的映像的効果が好き。

土に親しむ作者のもう一句。
「日本のいろ」は作者が言わなくとも「果てしなく青い世界」がそこに存在する。
 

日本のいろ千枚の田が植わり 

雪の夜となる空港の授乳室 

茄子焼いて母の晩年濃かりけり 

 根堅遺跡より出土の本州唯一の旧石器化石人骨はImg_7885
 浜北人と命名さる
浜北人遺跡をきゆんと初鴉 

冬麗の美濃の木乃伊は頭でつかち

冬うらら泳ぐがごとく富士ありて

考へるポーズをとれば石冷ゆる


Img_7886_4そうそう、こんな写生句も。


秋風を来る含羞の今井聖
 

 「街」の池本光子さんの
  句集
『浜北人』は2011年6月上梓された。
  

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