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2011年1月11日 (火)

句集『遊戯の家』(ゆげのいえ)      金原まさ子        

の国からこの世に吊り下げたような空中都市マチュ・ピチュ。
インカの人々が作った秘密都市??
写真
(ウキペディア)で見る段々畑は日本の原風景のように長閑。
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過去を辿る作業は難しい。100年前のことだって10年前のことだって分らないことだらけ。
ましてやインカ人は16世紀半ば、マチュ・ピチュ
を残し忽然と消えてしまったという。

満たされていることに慣
れている我々はいやが上にも謎の都市マチュ・ピチュにそそられる。謎をひとつづつ埋めてゆくのが現代人の役目。まさ子さんの俳句も謎解きめく。

   金魚玉透かすとマチュ・ピチュが見える      金原まさ子 

2006年、この句を発見したときの私の驚き。まもなく100歳になられるまさ子さんの宇宙的頭脳は一体どうなっているのか。私が一句の謎解きに時間を費やしている内に、まさ子さんにはマチュ・ピチュの向うに又新たな何かが現れるのである。その又向うにも又。私との距離は離れるばかりで
永遠に埋まらない。
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 梅咲いて腐乱はじまる遊戯の家
 啓蟄が散らかっている小部屋だな
 鈍行でゆく天国や囀れる
 水浴びたように白藤の花の下
 蛍嵌めてよ私は青そこひ
 おとうとの足つめたくて桐の花
 灯ともすと怖い書斎のヒヤシンス


   
 
第三句集『遊戯の家』
(金雀枝舎)
2010年上梓された。

海の中に星が瞬いているような深く青い表紙。
「99歳の不良少女」という文字が句集帯に燦然と屹立している。
2010年12月27日付、朝日新聞・俳壇「俳句時評」(高山れおな評)に取り上げられた今話題の句集である。

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