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2010年12月24日 (金)

「文藝春秋」12月号より

        冬の手触り         大高  翔  

          凩に放てば獲られてしまふ声
          冬将軍息ととのへて星数ふ
          荒星のひとつを選び砕きをり
          問はれゐて答へるつもり冬の雲
          小春日の列車吾等をさらひゆく
          山眠る失ふことに慣れるまで
          彗星の遠ざかる夜の毛糸玉

Photo_3 

俳句に出合ったときふわっと自分のイメージが膨らんでその景の中に自分を置くことが出来る時はうれしい。
句と人の出会いは最初の一瞬で決まる。
その逆の場合もあるけれど。

掲句の中に吾身を置けば「凩」「冬将軍」「荒星」「冬の雲」がたちまち近づいて来る。出合いの一瞬だ。

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