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2009年11月27日 (金)

小窓

  鷹柱(たかばしら)          正木ゆう子

  標高も水位もあをく九月尽(くがつじん)
  乾坤の高きところを渡り鳥
  幼鳥(ようちょう)もゐてひたすらに鷹わたる
  青空の青の極みへ鷹柱
  秋風のもの言ふ樟(くす)に会ひにゆく
  長命のかなしみもあり実紫(みむらさき)
  暁のシリウスをこそわが標(しるべ)

                       「文藝春秋」2009年11月号より
                         (ルビは表記のまま)

正木ゆう子さんの句は
自然を享受する人や動物に対しての言葉選びが大胆且つ繊細。

  秋風のもの言ふ樟(くす)に会ひにゆく
人と話したくないときの相手は「樟」。樟と語れば只、癒されるだけ。
ふっと樟が匂って読者も癒される。
この「樟」には人に言はない伏線がありそう。

   
「文藝春秋」に毎月一人の俳人の七句が掲載される。
まったく俳句とは関係ない他の記事の真ん中の「小窓」に掲載されるのでとても
印象的。

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