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2007年9月

2007年9月26日 (水)

青い一日

海の絵を見たすぐあとに、ほんとの海を見た。

ほんとの海の方が断然きれい。

カレーライスの湯気の先にも、天使の羽根の後ろにも海がある。

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青い一日、帰り際の秋の噴水だけが白かった。

席寄せて海濃くなりぬ椿の実
極彩色の船の荷こぼれさうな秋  
        
          いほこ

                          (於 三浦半島観音崎)

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2007年9月22日 (土)

古机

私の机は嘗て次男が使っていたライティングディスク。
Img_1785_2中学入学の時に買った机は大学卒業してから、社会人になって家を出るまでずーっと使い込んだ古机である。Img_1557

机に息子の彫った直径1.5センチほどの丸い二つの穴がある。

穴を彫って好きな彫刻に励んでいたらしい?
少年の夢も消しゴムのカスもこの穴の中に沢山詰まっている。

現在私が、句を作っては捨て、作っては捨てているのがこの穴。
穴の底まで見てみたいのだけれど、どこからも見ることが出来ない不思議な奈落。只、真っ暗なだけ。

燈火親し声かけて子の部屋に入る     細川加賀Tukue_3


あの頃二つ並んだ息子たちの部屋の扉は、いつも殆んど閉めっぱなしだった。

現在は開けっ放し。季節によって南から北から風が吹き抜ける。


  CDの穴の向かうの秋の風          いほこ      「街」50号/2004年

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2007年9月19日 (水)

こんばんは

Img_18333夜中は窓を閉めているわけだから多分夕べの内に部屋に入り込んだに違いない蟷螂。
今朝、カーテンに逆さにしがみついて部屋を覗いていた。

蟷螂って人に喩えれば孤高の男?
それとも、貌は三角で愛嬌があるからホントは三枚目?
でもこの貌、ニヒルともとれるし、やっぱり見飽きない貌をしている。

一晩中私の寝顔を覗いていたわけだ。そう思うと何かしら親しみが湧いたが、枯蟷螂になるには未だ間がある若い蟷螂、結局自然界へ戻してあげた。

しかし最初からオスと決め付けていたあの蟷螂はほんとはメスだったのかも知れない。

写真を見るとつくづく女っぽい。

でもでも蟷螂は肉食。同じ種類でも体の小さいオスが体の大きいメスに共食いされてしまうこともあるとか・・・。
やっぱり夕べの蟷螂はオスだったのだ。もしもメスだったとしたら・・・。 「わー!恐!」

 蟷螂は馬車に逃げられし馭者のさま        中村草田男

こちらの蟷螂はちょっと愛嬌のある三枚目。それでいて品格のある馭者?

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2007年9月16日 (日)

ディスプレイ効果

Img_1706_2 いつの頃からかレプリカが街に氾濫するようになった。

その技術は
日々進歩していて、物によっては手に取ってみなくては分らないほどの精巧な出来栄えである。

食事の支度には未だ早い午後、駅ビルの中にあるキッチン用品売場を何となく覗いてみた。

あるある、きれいな贋物のディスプレイ。
ティーカップや皿の隙間を埋めている美しい贋物たち。
レポーターになったつもりでちょっと探検してみた。

Img_1709 Img_1707_2

キッチン用品の隣は花、花、花、全部造花。

こんな花、やっぱり部屋に飾るのだろうか?

とは言っても私の紙粘土の花だって手で造った花。こちらのは機械で造った大量生産の花。少しは違うのかな?

わあー!これは本物だった。「お箸」。
お箸だってこんなに飾れば、いやでも人の目を惹く。
Img_1705 ディスプレイ効果。

何にも買わずにパチリと撮るだけ撮って
店員さんに「きれいですねぇ。ありがとう
♪」と言って家路を急いだ。

本物と、限りなく本物に近い贋物を組合せてディスプレイ。

「ディスプレイ」はもっとも今どきの仕事なのかも知れない。

贋物は暑しゴッホの向日葵よ      本城佐和


向日葵の季節も終った。あるのは冷房ビルの中の贋物。
葡萄も林檎も美し過ぎて何故か暑い。

そう言えば安曇野の林檎がもう赤くなっている頃・・・・。

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2007年9月12日 (水)

うちの夕景 ―秋夕焼―

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秋雨がいつの間にか

止んでひんやりした

空気になったかと

思うとみるみるうちに

染まった空。

ほんとに久し振りの

秋夕焼。   (18時5分)


俤も秋夕焼にいろどられ           加藤楸邨

俎に流す血黒し秋夕焼            桂 信子

ニッポニア・ニッポンに染む秋夕焼     仙田洋子

夕焼を見たあとの夜の夢にはきっときれいな色が付いてます♪

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2007年9月11日 (火)

北鎌倉 -3-

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― 北鎌倉駅 ―

首都圏の駅の中では一番好きな
「北鎌倉駅」。

プラットホームに電車が来ると、人がどーっと増えて、人はたちまち何処かへすーっと消えてゆく。


10年程前、月に一度は駅から3分の句会場へ通った懐かしい駅。

東京駅も横浜駅もプラットホームはこんなに長いのかしら。

この閑けさがいい。
でも蜩だけは別。
鎌倉の森が被さるようなプラットホームに蜩の短い秋が終ろうとしている。


ひぐらしや点せば白地灯の色に        金子兜太


兜太さんの珍しい叙情的な句。
「点せば白地灯の色に」は、白地の清潔感の中に艶かしい女を思わせる視覚的な句。
好きな句です。

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2007年9月 7日 (金)

北鎌倉 -2-

―洪鐘(おおがね)―

Img_1693_3 円覚寺「洪鐘」(おおがね)は鎌倉時代を代表する梵鐘で、国宝。
実に美しい。洪鐘の傍の切株でお弁当を開いている人がいたけれど、それが失礼ではないかと思えるほど気品に満ちた佇いを見せている。

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洪鐘の裏手にある「見晴茶屋」の柚子寒天が美味しい。
柚子寒天に丹波黒豆、干し杏子、求肥がのって、勿論、寒天には柚子の香りが凝縮されていて感激。
(これお奨めです。600円ナリ)


女の子一人、男の子二人の高校生らしき三人組が隣席に。ケラケラ笑いあって屈託が無い。
店の店員さんに、行儀よく「ありがとうございます」「いただきます」「ご馳走さま」と言っていたのが印象的だった。

涼しくて「ご馳走さま」と言ひにけり          いほこImg_1697  


こんなに近い北鎌倉、少し、早起きして、時々出かけるのはいいなぁ♪

右写真は見晴茶屋からの眺望。
(クリックすると大きくなります♪)

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2007年9月 4日 (火)

北鎌倉 -1- 

-弓道場ー

美しいカタログを見て、「もうこれは絶対に見たい!」こんな衝動に駆られて今朝、北鎌倉のベネチアンビーズコレクションの美術館に出かけた。

なのになのに、あるはずであったこの美術館は既に閉館。
交番のおまわりさんも困ったような顔。
「H・Pを確かめて出かけたのに・・・。こんなことって!・・・」
ホント、こんな事ってあるのである。H・Pを恨んだ。

でもでも鎌倉はこんな時、くよくよする必要はない。久し振りに「円覚寺」を散策しよう。


今日は何とついている日。
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一番最初に足を踏み入れた閻魔王の祀られている桂晶庵。

隣に弓道場がある。試合なのか練習なのか、周りにただならぬ空気が張り詰めている。

弓を引く人をじっくり見たのは始めてである。

遠慮して、遠くから写真を写していたら、係りの人が「横に廻って写していいですよ」と言ってくれた。何と親切。
ずーっと近づいていったら今度は「危険ですからもっと離れて!」と言われてしまった。

しばし、別世界に入る。
Img_1664


鎌倉を抜けて海ある初秋かな
   
                飯田龍太Img_1671 

海も空も一冊のカタログさえも少し秋
(写真クリックすると大きくなります)

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2007年9月 1日 (土)

登山電車 -2-

―エーデルワイス ―

スイスのインターラーケンから標高3500メートルのユングフラウヨッホへ向かう登山電車の中、我々日本人団体と地元スイスの団体が小さな車輛に乗り合わせた。
1989年のこと。極く自然に交歓会へと発展した。

両国の間ですぐ話がまとまり「歌でいこう!」ということになり、すかさずスイスチームから歌が流れ始めた。「エーデルワイス・・・エーデルワイス・・・」素晴らしい歌声。
逞しい男たちの口から涼しい甘美な声が。
Pla015ederuwaisu

こちらも負けられない。「さくら・・・さくら・・・」「里の秋」「荒城の月」等、無理をして普段よりやや格調高い歌を披露。

あちらのチームは我々が良く知っている「菩提樹」「フニクリ・フニクラ」等、ヨーロッパのスタンダード・ナンバーをつぎつぎに披露。混成チームの我々はもうタジタジ。

あの団体は今考えても確かに只者ではなかった。多分、どこかの合唱団だったのかも知れない。
そんな人たちと歌合戦をしたなんて、今でも背筋がゾクッとする。

箱根の登山電車は植物が頬に触れるほどに森の中を縫って行く.。

一方、スイスの登山電車は、植物を肌で感じるような触れ合いはない。山肌は緑の絨毯を敷いたように滑らかだが樹が少ない。箱根よりもずーっと高い処だから無理もない。
きっと歩いて行けばエーデルワイスのような可憐な花があちこちに咲いているのかも知れない。

電車は山を征服するごとく、かなりのスピードでぐんぐん登りながら、雄大な遠景を饗する。
「エーデルワイス・・・」は峰々から、登山電車から、草むらから迸るように聞えて来る。

18年前なんて、もう前世のことのようです。

(写真) エーデルワイス <和名(薄雪草)>高山植物 6~9月が花期。

                         ◆今日のブログの表紙、明るくしてみました♪

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