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2007年8月 2日 (木)

蝉の羽化

Img_1281_3髪の先から足の爪先まで気怠い感じの少女は横浜駅前でケイタイ電話を動かしている。

コバルトブルーのスカートは裾まで襞が波を打ち、金色の唐草模様の幅広ベルトをダラリと腰下に垂らし、これも気怠い。

ケイタイ電話は金色でキラキラ。耳にケイタイを当てて片足を心持ち折り、目はあらぬ方を気怠そうに見つめて虚ろ。全身これ怠惰の極み。


少女の醸しているこの気怠さは一体何処から来るのだろう。

もしかして蝉が羽化したから?
それとも少女自身が羽化の真っ最中なのか。

蝉の羽化は午前零時前後に始まると聞いていたけれど、ほんとにそのとおり。蝉に何故時間が分るのだろう。

テレビが鳴って時々人の鼾が聞こえる人間臭い空間でさえ、正確に時間を捉え、神秘的にそれは始まった。

甲羅から出た白い体からみるみる生えてくる羽根がエメラルドの葉脈に変わってゆく。思ったより脱皮はとても早い。ふたつの目が愛くるしい。

Img_1274_2

 ①23時50分(右)
ひと時、イナバウワーになる。

② 0時15分
エメラルドの羽根が天使のように♪
    ↓

Img_1278 

Img_1292
精根尽き果てたのか時々動かなくなる。
力を溜めて又、始まる羽化。
   

私は眠たくてついにダウン!   ③1時→

朝起きると、もうすっかり油蝉になって涼しい顔。Img_1299_2 すぐ大空へ逃がしてあげた。

    暮れはててなほ鳴く蝉や敗戦日         石田破郷


もうすぐ8月15日。蝉時雨はますます激しくなる。

少女の羽化は終ったのだろうか。

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