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2007年4月 7日 (土)

入学式

Ts380590_2小学校の入学式の服は母が縫ってくれた。母の着物を解いたのであろう、少し張りのある黒の薄手の絹。襟はショールカラー。胸元にギャザーを寄せて、膝丈までふわっと広がるワンピース。素材が少し変わっても半世紀以上も愛されている子供服の定番。今でもよく見かけるデザインに改めて定番のすごさを思う。きっと女の子が一番可愛らしく見える形なのだろう。

ワンピースの胸のギャザーの少し上に、桃の花を象ったショッキングピンクのアップリケが五つ並んでいた。子供心に、このピンクの生地も着物地で、少し光沢があったことを覚えている。それにしても大胆な配色。

桜の季節になると、50年以上も経った私に、この鮮やかな二色の組み合わせの服がいつも蘇ってくる。入学式に誰とどんな教室で・・・なんていう光景は、私の記憶の底をどんなに叩いても全く出てこないのに。そして母がミシンを踏んでいる姿の記憶もこれ一度きり。日当りのよい縁側に叔母や近所の人が数人集まって、「いいねぇ。かわいいねぇ」と喜んでくれた。桜の頃にはきまって近づいてくる母。

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